歓喜の舞 [田舎暮らし]
私が関わってきた犬は常に複数飼いで、犬同士の世界を持っていた。
だからさほど人に期待していないというか、人にいちいち構っていられないという風情があった。
子犬の頃はただただ毎日が楽しそうで、人にもよく構う。
それも8ヶ月にもなるといっちょ前の大人になり、あまりはしゃがなくなる。
私が下宿生活を初め3ヶ月ぶりに会うなんて時は大いにはしゃいでくれる。
この犬の場合は、回収犬だったから先ず食べさせる。
ドライフードは食べないし、どうも人の手からしか食べないようなので食べ方の訓練。
床にあるものを食べると相当叱られた様で、皿に乗せたモノを食べようとはしない。
皿に置いて2メートルぐらい人が離れて初めて周囲を伺いながら食べ始める。
今もその名残か「食べていいよ」と声を掛けなきゃ食べない時がある。
初めてトリの手羽を食べたときは、あまりの美味しさに頭を床にグリグリ歓喜の舞。
それが今では、毎朝起きると「ああ今日も目覚めた!いまボクは生きてる!」
と言わんばかりの歓喜の舞をする。
その幸せそうな姿を見ると、私の方が幸せを実感できる最高に幸せな一瞬だ。