牧羊犬 [田舎暮らし]
オトーサンが出掛けると、シューズの横でショボーンとして待ってるブリック。
ところが、居ると一転威張りだす。
2才で捨てられ、我が家へ来て4年。今年満6才。絶対犬だけは飼うまいと決めていたのに、
突然来た犬。じゃあ、犬を飼うなら牧羊犬だったらイイよと考えたが、羊が居なくて断念。
そう考えてたら、犬の方で牧羊犬の仕事を始める様になった。
集める羊は2匹。
先ず、午後7時食事が終わると、私の顔を見て「ゥ~~・・ゥ~」
「ブリック、まだ寝ないよ」・・・しぶしぶ椅子に乗ってこちらを窺いながらウトウト。
午後8時。2階の部屋で何かをしている奥さんを察知。2階に駆け上がる。
「痛い痛いブリック痛い。ヒザ掘らないで痛いから・・寝るの?ベッドで。もぉ?」
イラチの奥さんはすぐ身体が動くから、ブリックに言われるままベッドで一緒に寝たふり。
午後9時。2階から ズドドドド・・ハッハッハッ・・「ゥ~・・ゥ~・・ワン!」
「何だよー。まだ早いよー。寝ろって言うのか?じゃあ寝ようか」
しぶしぶ2階に上がると、後ろからズドドドと上がって来るが寝室には入らない。
寝室に入った私を見届けると、今度は奥さんの部屋へ行って「ワン・・ワン!」と吠えている。
「うるさい犬だな。舎監みたいな犬だな全く」
羊を2匹とも寝室に入れ、ベッドに入り込んだのを見届けると、やにわにベッドに乗り、
「フーン」と一息。自分の手のひらを舐め始める。
やっと今日の仕事が終わった、とでも言いたげな風情だ。
牧羊犬を望んだおかげで、羊にされてしまった。