新たな住人 [田舎暮らし]
「ねぇねぇ、蜂の巣箱に蜂が出入りしてるよ?知ってる?」
「ああ知ってる知ってる」
昔々端材が余ったので蜂の巣箱を作ったんだ。せっかく作るんだから珍しい形の巣箱。
アフリカの養蜂を元にアメリカで良く作られているタイプ。
引っ越して来た頃は日本ミツバチが我が家の周りに良く来てたんだけど、農薬のせいか翌年からあまり見なくなった。
そんな巣箱に出入りしてたのはアシナガバチ。害は無いから放っておいたんだ。
「でも目つき悪いよ。大丈夫?お尻黄色いよ」
「大丈夫大丈夫」
「イテテイテテ、やられたー、イテテ」
「何?どーした」「ハチ!ハチー!痛いよー」「ドコどこ!」「アタマアタマ!」
取り合えず頭にアイスノンを載せて冷やしながら話を聞いた。
どうやら黄色スズメバチが周りをブンブン回ってウルサかったらしい。
あんまりウルサいので被っていた帽子を脱いで帽子で払ったらしい。せっかく被っていた帽子を
わざわざ脱いだもんだから、その頭を直撃。
山手線の内側育ちの元子供は蜂からの逃げ方も知らない。お陰で手痛い一撃を食らった訳だ。
「その蜂どーしたの」「あまりの痛さに手で握り潰して放り投げたよ。きっと死体があるよ」
ついでに私には珍しくも無いトンボや蝉も持ってきてくれた。
「痛いよー」
巣箱を見るといつの間にかアシナガバチが黄色スズメバチに入れ替わってる。
アシナガバチたちは食われた挙げ句、巣まで横取りされたみたいだ。
「痛いよー」
しばらく庭仕事はお休みにしよう。
「お寿司でも買ってこようか」「痛いよー」
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