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冒険大洪水10月25日 2 [IPF 間質性肺炎]

午後1時半には注射も終わり、支払いも済みやる事が無くなった。
ロビーには主にお年寄りがなす術なく椅子に座っている。

売店の品物を隅から隅まで観察して、挙句綾鷹を買ってもまだヒマだ。
病院の受付で、災害の最新情報を仕入れても、ドコも水没でルートが無い。

2時半にはもう小雨。じき晴れそうだ。

これだけ高低差があるのに水没していた道。しかし、あれも集中豪雨のなせる業。
あれから3時間ほど経つから水没した所の水はもう下に流れているだろう。
と、いう事は、下流つまり茂原方面はもっと水が集まっている筈だ。
山を抜けて潤井戸方面に出れば長柄に帰る事が出来る。

「よし!帰ろう」「えー大丈夫?」
「今帰らなきゃ明るいうちに帰れない。大丈夫だよ」

来た道を行くと、水没していた道は嘘の様に水気は無い。ポツンとBMWだけが放置されている。
「やったー。水が引いてる」

茂原方面には向かわず市原方面へ、所々水たまりがあるのでソロソロ渡る。
目指した交差点を山側に走ると、雨も上がりウソの様に順調だ。でゴルフ場の脇で車の影が。
良く見ると、車の先に倒木の枝が見える。

そう言えば、道の入り口で誰かがパッシングで合図をしていたが、この事か。

しぶしぶまた低地に逆戻り。何か所もある水たまりをソロソロと注意して渡るが、
時々ジムニーがこれ見よがしに突っ込んで人に水を浴びせかける。
「わースピード下げろー。水入ったらどうするんだ。ショーがネーナー」

結局行けそうな道は倒木。行ける道は水没。
何台かの車が躊躇している脇をソロソロと抜け、また道を探す。

結局迂回に迂回を重ね、市原子供の国のダム脇に出たのが4時過ぎ。
「こりゃー上手くすると明るいうちに帰れそうだねー」

呑気な事を言ってると、今度は本当の渋滞に引っ掛かった。
ピクリとも動かない。今までの経験上この手の渋滞の先は通行止めだ。
見切りを付けてUターン。少しでも流れている道に再合流。

長柄よりも都市側の千葉市原側に出たから、今度は茂原行の渋滞だ。
「多分この道を行けばちはら台に抜ける筈だなー」
明るいうちに帰るつもりが、だんだん暗くなってくる。

完全に暗くなった頃、ようやく茂原街道に出る事が出来、道も空いている。
「あーやっと潤井戸に来たよ。ウソみたいに空いてるねー」
真っ暗の中本当に車が居ない。スイスイだ。
「ここまで来ればもう着いたようなもんだ。早かったね」

と言ってたら、またドンづまりの渋滞。それでも、時々対向車が走ってくる。
「あれっ?警察がいる」

「どうしました?」「この先水没です。右は倒木で通行止め。Uターンか左折のみです」

「えーーー、ここまで来てまだ駄目かよ。じゃあリソルの森を突っ切って帰ろう」

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左折して、長柄の山の中を走りリソルの森の抜け道を目指し、先ずリソルの森へ。
リソルの森タワーの前を通り過ぎると人が。「この先交通止めです」

ショック!目と鼻の先まで来ているのに行けないとは。
駐車場に車を止め、タワーのロビーに入ると、帰宅困難者の為にロビーを開放していた。

様子を見ると、バスタオルで水が浸入しない様に格闘した跡が残っている。
午前中はさほどでもなかった雨だが、その後相当激しく雨が降った様だ。

もう7時半だ。ここで一休みさせて貰おう。

一服しながら、他の避難している人から情報を取ったが、どうも塩田病院の所が水没。
茂原街道は通れない。
じゃあ、近いし車をここに置いて歩いて帰ろうか、という話になった。

それで、通行止めの道を歩く事しばらく、確かに水没している。
水の中を歩く覚悟で水に入って進むと、なんと!どう見ても深さ1mはある!

ひざ下なら行けるが、これはチョット無理。泣く泣く戻ることになった。

足はドロドロ。イラチの奥さんはトイレに足を洗いに行った。
「さて、どーするべーか」
リソルのマネージャーが今行ける道の情報をくれた。
北上して土気方面に抜ける道は行けるそうだ。

「よし!今度こそ帰れる」開放してくれている売店で、チョコやらクッキーやらお茶やらを
買い込み、気合新たに車に乗って帰る事にした。「帰るぞーー」

いつもなら間違わない道も、真っ暗でいつもと違う方向から走るので、
少し間違ったが、ようやく首都圏中央自動車道の茂原北インター近くへ出た。

ここまで来たんだからもう大丈夫だろう。
いつもの道を走ると、水没の跡がありあり。軽自動車も放置してある。
山から流れて来た杉の小枝がどこまで水が来たかを示している。

「遅くなったから水が引いてるけど、早かったら通れないな」
幸か不幸か今なら何とか車が通れる。

「到着ーーー」我が家に着いたのが9時。6時間半を掛けようやく我が家に着いた。

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「それでも面白かったねー」イラチの奥さんは剛気だね。
ドケチの私はカーナビも付けず、頭の中の地図を頼りに、鳩式GPSで帰りきった。

それで注射は?
効果抜群。しかし1週間は微熱が続いた。
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